【2026年実態調査】「退職金なし」企業が4割に迫る衝撃——終身雇用の幻想を捨てた働く世代のリアリティ

【2026年実態調査】「退職金なし」企業が4割に迫る衝撃——終身雇用の幻想を捨てた働く世代のリアリティ

退職 金 が ない 会社が珍しくなくなった2026年、日本の労働環境は決定的な分岐点を迎えている。厚生労働省の最新調査によれば、退職給付制度を持たない企業の割合はすでに3割を超え、中小企業やIT・スタートアップ分野においては半数近くに達した。「定年まで勤め上げれば数千万円の退職金で老後は安心」という昭和・平成のモデルは、もはや過去の遺物だ。長引く物価高と実質賃金の伸び悩みの中、従来型の安全網は静かに形骸化しつつある。

かつては「退職金が出ないなんてブラック企業だ」と切り捨てられることも多かったが、現代においてはあえて退職 金 が ない 会社を選び、毎月の基本給やパフォーマンス報酬の最大化を狙う賢明なビジネスパーソンが増加している。企業側もまた、数十年前の終身雇用を前提とした積立金を抱え込むリスクを避け、現在の成果に対してダイレクトに還元するスピード感を重視し始めた。老後の資金形成を会社に委ねる時代は終わり、個人の手で手堅く構築する新たなフェーズへと完全にシフトしている。

1. なぜ「退職金ゼロ」が増え続けるのか?企業が制度を捨てる3つの構造的理由

日本企業が長年維持してきた退職金制度を廃止、あるいは最初から設けない理由は、決して「業績悪化」だけではない。最大の要因は、終身雇用制度の崩壊に伴う社員の流動化だ。せっかく退職金を積み立てても、3年〜5年で転職していく若手・中堅社員が増えた現代において、従来の年功序列型退職給付は制度として噛み合わなくなっている。

次に挙げられるのが、企業経営における財務の柔軟性だ。将来の退職金支払いに備えて巨大な引当金をバランスシートに抱え続けることは、激変するグローバル市場において大きな足かせとなる。特に成長スピードを最優先するベンチャー企業や外資系企業では、キャッシュを手元に残すか、即座に事業投資・人的投資へ回す判断が下される。

さらに、社会保険料の負担増も企業を圧迫している。法定福利費の上昇が続く中、固定費としての退職金積立を維持する余裕がない中小企業が増加しているのだ。結果として、「将来の約束」よりも「現在の給与」で報いるスタイルへの転換が加速している。

2. 「退職金なし」は本当に損なのか?月給還元型との損益分岐点

「退職金がないと、老後に数百万円から数千万円の損をするのではないか」という不安は根強い。しかし、単純な損得勘定は禁物だ。重要なのは、退職金がない代わりに「毎月いくら多く手取りをもらえているか」である。

たとえば、退職金が出る代わりに基本給が抑えられているA社と、退職金はないが基本給が月々5万円高く設定されているB社を比較してみよう。30年間勤務した場合、B社で得られる額面ベースの差額は1,800万円に達する。この資金を毎月適切に運用できれば、退職金以上の資産を自力で構築することは十分に可能だ。

問題となるのは、「退職金もなく、月給も相場並みかそれ以下」というパターンだ。これは単なる経費削減・コストカット型の企業であり、労働者側にとって明確な不利益となる。求人票を見る際は、基本給の内訳や賞与実績、年収提示額が業界水準を超えているかを冷徹に見極める必要がある。

石川 優花
Penulis

石川 優花

心身ともに健康で持続可能なライフスタイルをテーマに、最新のウェルネストレンドを発信中。