もち ご めは、2026年の今、日本の食文化の枠を超えて世界的な注目を集めると同時に、かつてない需給の激動期を迎えている。今春、全国の米穀店や卸売業者の間では、仕入れ価格の上昇と在庫確保に追われる悲鳴が相次いだ。日常の食卓やお祝い事に欠かせない身近な存在でありながら、市場での立ち位置は一変している。
老舗の和菓子店が集まる都内の商店街を歩くと、原材料として仕入れる高級なもち ご めの取引価格が前年比で大幅に跳ね上がっているという実態が見えてきた。長年店を支えてきた職人たちも、この異例の事態に頭を悩ませている。背景には国内の生産体制の変化と、地球規模で広がる新たな消費トレンドが複雑に絡み合っていた。
異常気象と海外からのオファー殺到が招いた「令和の米騒動」ならぬ「もち米危機」
2026年から2026年にかけての猛暑と局地的な豪雨は、全国の米どころに大きな打撃を与えた。特に品質管理が繊細な品種では、高温障害による白未熟粒の発生率が上がり、極上のAランク品の出荷量が著しく制限される結果となった。
そこへ追い打ちをかけたのが、円安基調を背景にした海外バイヤーによる大量買い付けだ。北米や欧州の巨大フードチェーンが日本産の原料米を直接契約で買い押さえる動きが強まり、国内流通量が圧迫される格好となった。
欧米で空前の「Mochi」ブーム! グルテンフリースナックとしての意外な再評価
なぜこれほどまでに世界が熱視線を送るのか。理由は、欧米を中心とする健康志向の爆発的広がりにある。もちもちとした独特の食感が「モチ・テクチャー」としてSNSでバズを起こし、若者世代の定番スイーツへと躍り出た。
さらに注目すべきは、小麦アレルギーや健康意識の高い層に向けた「プレミアム・グルテンフリー食材」としての評価だ。従来の餅としてだけでなく、パンやワッフルの生地に混ぜ込む代替粉としての用途が急拡大しており、世界の食卓で新しいポジションを確立しつつある。