まり もっこり――平成の世を斜め上の発想で騒がせた北海道生まれのローカルキャラクターが、2026年の今、再び異例のブームを巻き起こしている。かつて修学旅行生や観光客の注目を一身に集めたあの股間の膨らみが、SNSの爆発的な拡散力とレトロブームの波に乗り、時空を超えてZ世代の心を掴んで放さない。
単なる「ウケ狙い」の土産物として一世を風靡した時期から20年近くが経過した現在、若い世代の間では古着やY2Kファッションのアクセントとしてまり もっこりのキーホルダーやアパレルを取り入れるスタイルが大流行中だ。新千歳空港や小樽の土産店では連日完売が相次ぎ、海外からの旅行客までもがそのシュールな造形美を求めて店頭へ押し寄せる異例の事態となっている。
誕生20年目の奇跡:なぜ今、若者の間で爆発的人気なのか
ブームの原動力となったのは、TikTokやInstagramをはじめとするショート動画プラットフォームだ。「親の部屋で見つけた謎のキーホルダー」という一本の投稿が数百万回再生を記録すると、事態は一気に加速した。過剰に洗練された現代のデジタルキャラに慣れ親しんだ若者にとって、その愚直なまでの手触り感とアンダーグラウンド感は新鮮そのものだったのだ。
「エモい」の一言では片付けられない魅力がここにある。どこか憎めない表情と、直球すぎるネーミング。完璧に作られた可愛さではなく、ツッコミどころ満載の違和感こそが、SNS時代の若者たちが求めていた「映え」の究極形だったと言える。
「ダサい」「卑猥」からの大逆転!Z世代が感銘を受けたシュールな美学
登場初期、世間の評価は賛否両論に割れていた。「卑猥だ」「品がない」といった批判に晒されることも少なくなかったキャラクターが、なぜ20年の時を経て評価を180度覆すことができたのか。答えは現代のポップカルチャーにおける「皮肉(アイロニー)」の価値観の変化にある。
周囲と同じおしゃれを消費することに疲弊した若者たちは、あえて「ハズし」の要素としてシュールなキャラクターを身につける。原宿や渋谷のストリートを歩けば、ハイブランドのバッグに緑色の彼が揺れている光景も今や珍しくない。ダサさと格好よさの境目を曖昧にするその佇まいが、独自の美学として昇華されたのだ。