碓氷 峠 の 森 公園は、群馬県安中市の深い山懐に抱かれた、知る人ぞ知る極上のリラクゼーションスポットだ。かつて日本の近代化を足元から支えた旧信越本線の廃線跡「アプトの道」の拠点として親しまれ、明治の産業遺産と豊かな自然が見事に調和している。一歩足を踏み入れれば、聞こえてくるのは風のそよぎと鳥の声だけ。日常の喧騒から離れ、心地よい静寂に浸ることができる。
週末になると、首都圏から日帰りや一泊で訪れるハイカーやファミリーの姿が目立つ。歴史ファンならずとも息をのむ大迫力の「めがね橋(碓氷第三橋梁)」を目指すウォーキングの拠点として、あるいは四季折々の草花に癒やされる散策ルートとして、碓氷 峠 の 森 公園は多様な旅のスタイルをやさしく受け入れてくれるのだ。
1. 廃線跡を歩く歴史ロマン「アプトの道」と「めがね橋」への最前線
この公園を語る上で絶対に外せないのが、旧信越本線の廃線敷を利用した遊歩道「アプトの道」だ。横川駅から旧熊ノ平駅まで続く全長約6キロメートルのハイキングコースは、かつて急勾配を克服するためにドイツから導入されたアプト式ラックレールが敷かれていた線路跡。その道のりのちょうど中核に位置するのが、この広大な森の公園である。
歩みを進めると現れる赤レンガ造りのトンネル群。ひんやりとした空気が肌を撫で、トンネルを抜けるたびに新しい光と緑が視界を埋め尽くす。圧巻は国の重要文化財にも指定されている「めがね橋」だ。4連の美しいアーチ橋の上に立ち、遥か下を流れる川と山々の連なりを見下ろせば、当時の技術者たちが注いだ情熱と歳月の重みがじわじわと胸に迫ってくる。
2. 疲れた体を包み込む温泉施設「峠の湯」の極上天然温泉
たっぷり歩いて心地よい汗をかいた後は、園内に併設された温泉施設「峠の湯」へ直行したい。天然温泉が誇るアルカリ性単純温泉の湯は、肌にまとわりつくように柔らかく、いわゆる「美肌の湯」として地元の人々にも長年愛されてきた。
大浴場や露天風呂からは、裏妙義の荒々しくも美しい岩峰が一望できる。湯船に肩まで浸かり、澄み渡る空を眺めながら深呼吸する瞬間は、まさに至福だ。和風と洋風の趣が異なる大浴場が男湯・女湯で日替わり交代するため、訪れるたびに新鮮な気分でリフレッシュできるのも魅力的である。