創業から150年以上の歴史を誇り、三浦半島の商業を牽引してきた老舗百貨店「さいか屋横須賀店」。2026年5月に突如発表された「完全閉店」のニュースは、地元横須賀市民のみならず全国の流通業界に大きな衝撃を与えました。しかし、閉店予定期日直前になって状況は一変し、異例の「営業継続」が決定。存続の一報に街中が沸いた出来事は、今なお語り草となっています。
危機を乗り越えた同店は抜本的な構造改革を断行し、地域密着型のハイブリッド商業施設として力強く再始動を果たしました。本稿では、当時の閉店危機の真相から劇的な存続劇の舞台裏、話題の大型テナント導入、そして現在のデパ地下グルメや催事の賑わいまで、現場の最新動向を徹底取材・解説します。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】- 要点1:2026年の閉店発表から一転、地元住民の熱烈な存続要望と事業再生パートナーの参画によって劇的な営業継続が実現。
- 要点2:伝統的な百貨店モデルから脱却し、「無印良品」の誘致や売場再編など、暮らしに直結した大型リニューアルを敢行。
- 要点3:名物のデパ地下グルメや人気物産展の集客力は健在であり、利便性の高い提携駐車場も完備して多世代が通う拠点へ進化。
【閉店危機の真相】さいか屋横須賀店はなぜ一度「閉店発表」に至ったのか?
2026年5月、株式会社さいか屋が発表した横須賀店の営業終了(2026年2月予定)の報は、地域社会に激震を走らせました。創業の地であり、横須賀中央駅前のシンボルとして君臨してきた旗艦店の撤退宣言。その背景には、長年にわたる構造的な課題が横たわっていました。
最大の要因となったのは、郊外型ショッピングモールの台頭やインターネット通販の普及に伴う恒常的な顧客離れと売上高の低迷です。さらに、建物の老朽化に伴う維持管理費の増大に加え、2026年春からの新型コロナウイルス感染拡大による外出自粛が決定打となり、百貨店事業単体での黒字化維持が極めて困難な局面に追い込まれていました。
当時、経営再建に向けた選択と集中を進める中で、赤字が続いていた本館を含む大規模施設の維持はリスクと判断され、創業148年目にして苦渋の撤退決断が下されたのです。
【奇跡の営業継続】閉店撤回から存続へ!劇的な事業転換の経緯
閉店発表後、事態を動かしたのは地元・横須賀の人々の切実な声でした。市長をはじめとする行政関係者や地元商工会議所、そして「街の灯を消さないでほしい」と願う数多くの市民から存続を求める署名や要望が殺到。さいか屋が単なる商業施設を超えて、街のアイデンティティそのものであったことが浮き彫りになりました。
こうした声に応える形で転機となったのが、ヘルスケア大手「AFC-HDアムスライフサイエンス」との資本業務提携です。強力なスポンサー支援を取り付けた経営陣は、全館撤退の方針を白紙撤回。2026年2月の営業終了予定日直前に、規模を適正化して営業を継続するという逆転劇を発表しました。
従来の「百貨店直営フルライン」の売り場構成を改め、維持コストのかかる本館の過剰な床面積を見直しつつ、収益性の高い南館や新館を中心に売場を集約。身の丈に合ったコンパクトで強靭な商業モデルへと大胆に舵を切ったことが、奇跡の存続を支える決定打となりました。