「あれ、どこにもない…」2026年春、ドラッグストアから突如マスクが消えた本当の理由
マスク 売っ て ない――。そんな焦りの声が、2026年春のSNS上を埋め尽くしている。かつてのパンデミック期のような深刻な供給不足は過去のものとなったはずだったが、今、全国の主要都市のドラッグストアやコンビニの店頭から、特定の高機能マスクが急速に姿を消している。
仕事帰りに3軒の店舗を回ったという都内在住の会社員(34)は、「花粉症がひどいのに、いつも使っているマスク 売っ て ない状況に直面して驚いた。棚がガラガラで、代わりに冷感シートばかりが並んでいる」と困惑気味に話す。一体なぜ、このタイミングで再び需給のバランスが崩れてしまったのだろうか。
1. 2026年特有の「トリプルパンチ」:黄砂、花粉、そして新たな微粒子
今回の品薄現象の背景には、いくつかの要因が複雑に絡み合っている。まず挙げられるのが、例年を遥かに上回る規模で日本列島を襲っている黄砂と、過去最大級とされるスギ・ヒノキ花粉のダブルパンチだ。気象庁のデータによると、今年の黄砂飛来量は過去10年で最多を記録。これに加え、呼吸器系に影響を与える微小粒子の飛散が重なり、普段はマスクを着用しない層までが買い求めに走った。
さらに、今春特有の激しい寒暖差も影響している。体調を崩す人が急増し、風邪予防としての需要も一気に跳ね上がった。結果として、予測を大幅に超えるスピードで店頭在庫が消費されることとなったのだ。
2. 小売店が陥った「在庫ミニマリズム」の罠
しかし、なぜメーカーは増産対応できなかったのか。その答えは、小売業界の「在庫管理の最適化」にある。コロナ禍の終息に伴い、多くのドラッグストアやスーパーはマスクの売り場スペースを大幅に縮小していた。バックヤードの在庫も最小限に抑える「ジャスト・イン・タイム」方式へとシフトしていたのだ。
「まさかこれほどの急激な需要増が来るとは想定していなかった」と、大手ドラッグストアチェーンの仕入れ担当者は明かす。店舗側にとっても、売れ残るリスクを避けるための防衛策が、結果として今回の「棚の空白」を生む引き金となってしまった。