京都・紫野に鎮座する今宮神社の東門参道。鳥居をくぐると漂う香ばしい炭火の香りと甘い白味噌の芳香が、訪れる旅人の足を自然と止めます。その参道でひときわ圧倒的な存在感を放つのが、通称「一和(いちわ)」の名で親しまれる一文字屋和輔(いちもんじやわすけ)です。
創業は平安中期の長保2年(西暦1000年)。一条天皇の時代から実に1000年以上の歴史を紡ぎ続ける「日本最古の和菓子屋」であり、現存する日本最古の飲食店としても知られています。今回は、向かいに店を構えるもう一つの名店「かざりや」との決定的な違いから、最新の値段、営業時間、混雑回避のポイントまで、現地取材の視点を交えて詳しく解き明かします。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】- 要点1:一和は創業1000年を超える日本最古の老舗で、親指大の餅を備長炭で炙り白味噌だれを絡めた「あぶり餅」が唯一無二の名物。
- 要点2:向かいの「かざりや(寛永14年創業)」とは白味噌だれの風味や甘みのキレ、炭火の香ばしさに明確な個性があり、現地での食べ比べが醍醐味。
- 要点3:1人前600円(税込・お茶付き)で味わえ、厄除けご利益を願う参拝客で週末は混雑するため、午前中の早い時間帯の訪問がベスト。
【創業1000年の奇跡】日本最古の和菓子屋「一文字屋和輔」の歴史と厄除けご利益
平安時代から同じ場所で暖簾を守り続けてきた一文字屋和輔の歴史は、今宮神社の歴史そのものと深く結びついています。平安京で疫病が流行した際、一条天皇が疫病退散を祈願して紫野の地に社殿を造営したのが今宮神社の始まりとされ、その時に餅を神前に供え、参拝者に振る舞ったのがあぶり餅の起源です。
あぶり餅に使われる竹串は、今宮神社に奉納された斎串(いぐし)を用いる習わしがあり、これを口にすることで「無病息災」「疫病退散・厄除け」のご利益を授かると信じられてきました。京都・紫野の和菓子老舗の中でも別格の風格を持ち、千年の歳月の中で応仁の乱や幾多の飢饉を乗り越えて受け継がれてきた味には、歴史の重みと人々の祈りが込められています。
【徹底比較】一和と向かいの「かざりや」の違い|白味噌だれ・焼き加減・歴史
今宮神社の参道を挟んで真正面に向かい合う「一和」と「あぶり餅 かざりや」。初めて訪れる参拝客の多くが「どちらに入るべきか」「何が違うのか」と悩みます。2軒の決定的な違いを分かりやすく整理しました。
一和のあぶり餅は、京都の名舗「本田味噌本店」の白味噌をベースにした特製ダレを使用しており、甘さ控えめで味噌の豊かな風味が炭火の香ばしさを引き立てます。一方のかざりやは、少し甘めのタレが万人受けする味わいです。参道では2軒をハシゴして食べ比べるのが通の楽しみ方であり、両店とも1人前のボリュームは程よいため、無理なく完食できます。