藤沢 ランチの常識が、ここ最近の湘南エリアの再開発や食の多様化に伴い激変している。かつては観光客向けの江ノ島周辺の定番店や駅直結の大型ビルに入居するテナントが主流だったが、現在は路地裏に潜む気鋭の個人店が圧倒的な支持を集める時代へと突入した。地元記者が足で稼いだ最新情報をもとに、その変容の現場を追う。
小田急電鉄株式会社の沿線開発が進み、都心からのアクセスが格段に向上した藤沢市。週末ともなれば相模湾の恵みや地場野菜を求める美食家たちが押し寄せるが、本当に満足度の高い藤沢 ランチを堪能するには、表通りの看板だけに惑わされない鋭い視線が必要不可欠だ。
観光地価格を凌駕する穴場海鮮丼!相模湾の朝競り直行便
湘南の食といえば真っ先に思い浮かぶのが鮮魚だ。しかし、観光地価格で提供される一般的な海鮮丼に物足りなさを感じている人も少なくないだろう。藤沢駅から徒歩7分ほど、住宅街の角に佇む一軒の小料理屋では、店主が毎朝自ら片瀬漁港や小田原競り場に足を運び、仕入れたての地魚を贅沢に盛り付けた「朝捕れ特選海鮮丼」を提供している。
身が引き締まったアジや生シラス、脂の乗ったカマスなど、季節ごとの旬が重厚に敷き詰められた一杯は、一口食べるごとに魚本来の濃密な旨味が広がる。日本フードアナリスト協会の関係者も「鮮度の担保はもちろん、米の炊き加減と自家製醤油の塩梅が完璧に計算されている」と舌を巻く仕上がりだ。海鮮料理の真髄は鮮度と手仕事の融合にあると、改めて実感させてくれる。
鎌倉野菜と近海手打ちパスタが織りなす絶品イタリアンの現在地
海の幸と並び、この地域で絶大な存在感を放っているのが鎌倉・藤沢産の新鮮な地場野菜だ。駅から少し離れた南口の地下に潜むイタリアンバールでは、毎朝近郊の農家から直接届く無農薬野菜を主役にしたランチコースが話題を呼んでいる。
彩り豊かな前菜プレートから始まるそのコースは、シェフが自ら手打ちするモチモチとした手打ちパスタへと続く。旬のサザエと朝摘みバジルを合わせたジェノベーゼなど、湘南の風土をそのまま皿の上に表現したかのような一品は、まさに絶品イタリアンと呼ぶにふさわしい。過度な装飾を排し、食材本来の力強さを引き出すアプローチは、激化する外食産業の中でも一際異彩を放っている。