世界中の『ドラゴンボール』ファンコミュニティで、15年以上にわたり熱狂的な支持と激しい議論を巻き起こし続けている超大作が存在します。フランスのクリエイター陣が手掛けるWEBコミック『ドラゴンボールマルチバース(Dragon Ball Multiverse / DBM)』です。原作漫画のタッチを極限まで再現した圧倒的な画力と、「もしもあの戦いで別の結末を迎えていたら」という緻密なifストーリーが融合し、世界30以上の言語に翻訳される異例の広がりを見せています。
本稿では、鳥山明氏が遺した偉大な世界観を拡張する本作の基本構造から、謎多き黒幕「XXI(21)」の正体、ファンの間で物議を醸したベジットの精神崩壊とブラの覚醒・虐殺劇、そして公式作品である『ドラゴンボール超』との決定的な構造差まで、2026年現在の最新状況を踏まえて徹底解剖します。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】- 要点1:本作は原作者・鳥山明のタッチを再現した海外発の長編ifWebコミックであり、公式サイトにて全編日本語を含む多言語で完全無料公開されている。
- 要点2:『ドラゴンボール超』の12宇宙(別次元)とは異なり、原作魔人ブウ編から分岐した20の平行世界(パラレルワールド)が集結するトーナメントを描く。
- 要点3:黒幕「XXI」の規格外の魔術や、宇宙16の最強戦士ベジットの暴走予知、娘ブラの暴走・大量殺戮によるコミュニティ炎上など、重厚かつ衝撃的なダークトーンが最大の特徴である。
【全貌解明】話題の『ドラゴンボールマルチバース』とは?作品の出自と閲覧方法
『ドラゴンボールマルチバース』は、フランスの原作・脚本家であるサラギル(Salagir)氏と、初期作画を担当したGogeta Jr.氏(現在はAsura氏ら実力派絵師が引き継ぐ)を中心とする国際的なファン有志チームによって、2008年から連載が開始された非営利のWEBコミックプロジェクトです。
ファンの間では「公式と見紛うレベルの神作画」「鳥山明のコマ割りやデッサンを完璧に研究している」と瞬く間に話題となり、現在に至るまで数千ページに及ぶ長編ストーリーが紡がれています。同人二次創作という枠組みでありながら、その規模とクオリティは世界の漫画ファンから傑作と評されています。
本作が「どこで読めるのか」を探す読者も多いですが、作品は専用の公式Webサイト(Dragon Ball Multiverse公式サイト)上で定期更新されており、スマートフォンやPCブラウザから登録不要で閲覧可能です。有志の翻訳チームによって公式に日本語ローカライズが行われており、セリフの日本語フォントや縦書きのコマ運びも日本の商業漫画と全く遜色ないクオリティで楽しむことができます。
『ドラゴンボール超』と何が違う?20の宇宙一覧設定とパラレルワールドの構造
鳥山明氏原案の公式続編『ドラゴンボール超』でも「全12の宇宙」というマルチバース設定が登場しますが、本作『ドラゴンボールマルチバース』とは根本的な世界観の構造が異なります。
『ドラゴンボール超』における宇宙は、「第6宇宙と第7宇宙が対になっている」ように、それぞれ環境や歴史が異なる12個の独立した空間です。一方、本作『DBM』の宇宙は、量子力学的な多世界解釈に基づく「もしもの分岐によって無限に枝分かれした同一宇宙のパラレルワールド」です。ナメック星の神話種族「ヴァルガス人」が開発した次元間転送装置により、分岐した20の宇宙から代表者が集められ、最強を決める武道会が開催されるというプロットになっています。
本作の各宇宙設定は、原作ファンの心をくすぐる緻密な設計になっています。代表的な宇宙を挙げると以下の通りです。
- 宇宙18(正史世界):原作最終回(ウーブを連れ去った後)の孫悟空やベジータたちが属する、読者にとっておなじみの世界線。
- 宇宙16(ベジット世界):ブウの体内でポタラの合体が解けず、一生ベジットのまま生きることを選んだ世界。チチとブルマの共同生活、そしてベジットの娘「ソン・ブラ(Son Bra)」が存在する。
- 宇宙4(全吸収ブウ):孫悟空、ベジータ、悟飯を含む全宇宙の戦士と知性を吸収し、神に近い絶対的な全能存在となった魔人ブウ(ゼノン・ブウ)の世界。
- 宇宙7(ガスター・コロ):フリーザの侵略に対し、ナメック星の全住民がたった一人に同化融合した究極の超ナメック星人「ガスター・コロ」の世界。
- 宇宙13(サイヤ人生存世界):カカロット(悟空)が頭を打たず地球人を全滅させ、ラディッツ、ナッパ、ベジータ王と共にサイヤ人帝国を築いた世界。