ひつじのショーンの顔が黒い理由は?モデルの羊と粘土の秘密を解明

ひつじのショーンの顔が黒い理由は?モデルの羊と粘土の秘密を解明

ひつじ の ショーン 顔の強いコントラストに、ふと目を奪われた経験はないだろうか。真っ白でモコモコとした胴体に対し、頭部と四肢だけが引き締まった漆黒。一度見たら忘れないあの個性的なルックスは、単なるデザイナーの気まぐれではない。イギリス生まれの世界的コメディ・アニメとして愛され続ける『ひつじのショーン』には、視覚的なインパクトと卓越した制作上の合理性が凝縮されている。

テレビ画面を縦横無尽に駆け回るショーンたちの表情は、セリフが一切ないサイレント劇においてストーリーを牽引する最大の武器だ。ファンや子どもの間で度々話題になるひつじ の ショーン 顔の造形だが、実は実在する羊の品種や、粘土を使ったクレイ・アニメーションならではの表現技法と深い関係がある。長年NHK EテレやNetflixを通じて世界中のリビングを沸かせてきた作品の裏側に迫ってみよう。

なぜ顔が黒い?モデルとなった実在の「サフォーク種」とキャラの特徴

ショーンたちの独特な顔立ちには、はっきりとした元ネタが存在する。モデルとなっているのは、イギリスのサフォーク州原産とされる実在の羊「サフォーク種」だ。顔と脚が漆黒の毛で覆われ、体だけが白い羊毛に包まれたこの品種は、現地イギリスの牧園では非常になじみ深い存在である。

作中に登場する主要キャラクターたち――いたずら好きなショーン、頭の毛がフサフサのティミー、巨大なシャーリー――も、このサフォーク種の特徴をベースにデザインされている。黒い顔のおかげで丸くて白い大きな目元が際立ち、言葉を一切使わずに「ギョッとした目つき」や「たくらみの笑み」を完璧に表現できるのだ。

名門アードマン・アニメーションズが明かす表情作りの裏側

制作を手がけるイギリスの名門スタジオ、アードマン・アニメーションズは、1コマずつ手作業で人形を動かすストップモーション・アニメーションの第一人者として知られる。名匠ニック・パークが生み出したこの世界観において、キャラクターの顔はミリ単位の職人技によって生み出されている。

粘土(プラスティシン)で形作られた顔のパーツは、撮影中に照明の熱やアニメーターの指の温もりで柔らかくなってしまう。そのため、黒い顔の粘土は指紋が目立ちやすく、表面を滑らかに保つための特殊なメンテナンスが欠かせない。現代のアニメーション制作業界において、CGでは決して再現できない「手触り感」と「温かみ」が、あの黒い顔と白い目のコントラストから醸し出されているのだ。

石川 優花
Penulis

石川 優花

心身ともに健康で持続可能なライフスタイルをテーマに、最新のウェルネストレンドを発信中。