1980年代のテレビ黄金期を象徴する伝説的バラエティ番組『オレたちひょうきん族』。その看板コーナー「THE TAKECHAN MAN(タケちゃんマン)」で圧倒的な存在感を放ち、日本全国のお茶の間を熱狂させた不滅の悪役がブラックデビルです。
全身黒タイツに尖った耳、そして甲高い笑い声を響かせながら繰り広げるタケちゃんマンとの掛け合いは、当時の子どもから大人までを虜にし、社会現象を巻き起こしました。放送開始から40年以上が経過した2026年現在も、バラエティ史における金字塔キャラクターとして語り継がれています。その誕生の舞台裏や演者の交代劇、そして番組を牽引した数々のエピソードを詳細に紐解きます。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】- 要点1:初代ブラックデビルはビートたけし自身が演じており、過密日程を理由に明石家さんまへとバトンタッチされた。
- 要点2:全身黒タイツの衣装とアドリブ全開の掛け合いがウケ、番組は最高視聴率29.1%を叩き出す起爆剤となった。
- 要点3:ブラックデビルの成功が「アミダばばあ」など数々の人気怪人を生み出し、昭和のお笑い界に一大革命を起こした。
【誕生秘話】ブラックデビル誕生の元ネタと「黒タイツ」衣装の裏側
タケちゃんマンの初代最強ライバルとして誕生したブラックデビルですが、その構想は特撮ヒーロー番組へのパロディ精神からスタートしました。ブラックデビルの元ネタとなったのは、当時流行していた特撮ヒーロー作品に登場する悪の組織や怪人たちです。勧善懲悪のヒーロードラマを徹底的にギャグへと昇華させる試みからキャラクター造形が始まりました。
ひときわ強いインパクトを与えたブラックデビルの衣装は、光沢のある黒いレオタード風タイツにコウモリのような大きな付け耳、そして顔に直接描かれたユーモラスなヒゲとアイラインという極めてシンプルなデザインでした。低予算かつ突貫工事で作られたこの衣装は、演者の表情や激しい身振りをダイレクトに引き立たせる効果を生み、結果としてキャラクターの怪演ぶりを何倍にも際立たせることになったのです。
【歴代の演者と真相】初代ビートたけしから明石家さんまへの交代劇
ブラックデビルといえば誰もが明石家さんまの顔を思い浮かべますが、ブラックデビルの正体における初代演者は、実はビートたけし本人でした。コーナー立ち上げ当初、たけしは正義の味方タケちゃんマンと敵役ブラックデビルの二役を1人で演じていました。
しかし、当時のたけしは殺人的な過密スケジュールを抱えており、1つのコントで二役を着替えて演じ分ける撮影は体力的にも限界に達していました。そこで「一人二役はしんどいから、誰か別のやつにやらせよう」という現場の判断が下され、白羽の矢が立ったのが当時若手として頭角を現していた明石家さんまでした。
代役としてブラックデビルを引き継いださんまは、「クッチャネ、クッチャネ、食っちゃ寝食っちゃ寝」という独特のリズムネタや「ウヒョヒョヒョ」という甲高い笑い声をアドリブで開発。これが爆発的な人気を獲得し、正式にさんまの専属キャラクターとして定着することになりました。その後、劇中では俳優の中尾彬がゲスト怪人として登場するなど、多彩なバリエーションを展開していきました。