フェリー 土肥航路(清水港〜土肥港)は、駿河湾を一直線に横断し、静岡市と西伊豆をわずか75分で結ぶ海上の要衝だ。東名高速道路や伊豆縦貫道の激しい渋滞を鮮やかに回避するルートとして、行楽シーズンを中心に多くのドライバーや観光客から絶大な支持を集めている。船上から一望できる世界遺産・富士山の圧倒的なパノラマは、移動の時間そのものを特別な旅の思い出へと塗り替えてくれる。
中伊豆や西伊豆へのアクセス手段としてはもちろんのこと、近頃はEV(電気自動車)向けの充電インフラ拡充やスムーズなデジタルチケットの導入が進み、旅の使い勝手は飛躍的に進化を遂げた。富士山を望むオープンデッキでのひとときや特別室での優雅な時間など、フェリー 土肥便での移動には、陸路のハンドルを握り続けるドライブでは決して味わえない開放感と快適性が満ちている。
東名渋滞をスルー:清水〜土肥を75分で繋ぐ「海の県道223号」の利便性
行楽期の伊豆半島ドライブといえば、沼津ICや長泉沼津IC付近から始まる激しい道路渋滞が最大の悩み種だ。しかし、清水港から駿河湾を渡るルートを選べば、不快なストップ&ゴーの繰り返しから一気に解放される。
この航路は全国的にも珍しい「静岡県道223(ふじさん)号」に指定されている正真正銘の公道だ。陸路で沼津を経由して中伊豆・西伊豆へ向かう場合、時間帯によっては2時間以上を費やすことも珍しくないが、海上ルートならわずか75分。車ごと船に乗り込み、エンジンを切って寛いでいる間に、気づけば目的地である土肥港へ到着している。
船上から望む360度の大パノラマ:富士山と駿河湾が織りなす圧倒的絶景
乗船後のハイライトは何と言っても、波静かな駿河湾上から仰ぎ見る富士山の圧倒的な存在感だ。陸上の展望台とは異なり、視界を遮る建造物が一切ない海上の特等席から眺める雄姿は圧巻の一言に尽きる。
青く澄み渡る海と空、そして雪を戴く富士の対比は、季節や時間帯によって表情を刻一刻と変えていく。夕刻の便であれば、駿河湾を黄金色に染め上げる夕日と富士山のシルエットが織りなす幻想的な美しさに誰もが息を飲むはずだ。船内には絶景を心ゆくまで堪能できるよう工夫された特別テラスやラウンジも整えられている。