ポップミュージックの歴史において、キャッチーなミニマルビートと切ないノスタルジーを完璧に融合させた金字塔といえば、Lauv(ラウヴ)の代表曲「I Like Me Better」です。ストリーミング累計再生数は数十億回を記録し、2026年の現在でも世界中のプレイリストやSNSのショート動画で世代を超えて愛され続けています。
「君と一緒にいるときの自分が、もっと好きだ」というストレートでありながら深みのある心理描写は、いかにして誕生したのでしょうか。本稿では、楽曲の日本語対訳や英語フレーズの細やかなニュアンス、ニューヨークでの恋の実体験に基づいた制作秘話、大ヒット映画の挿入歌としての反響、BTSジョングクによるカバー、さらには最新の来日動向まで徹底的に解明します。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】- 要点1:「相手を愛することで自分自身も好きになれる」というピュアな自己肯定を描いたLauvの世界的代表曲。
- 要点2:ニューヨーク大学進学直後に恋に落ちた本人の実体験がベースで、即興のシンセリフからわずか数時間で誕生。
- 要点3:映画『好きだった君へのラブレター』の挿入歌起用やBTSジョングクのカバーを経て、2026年も色褪せないポップアンセムとして定着。
【歌詞和訳とカタカナ読み方】「I Like Me Better」が歌う純粋な恋心
楽曲タイトルの「I Like Me Better」は、カタカナでは「アイ・ライク・ミー・ベター」と発音します。単に「I like you(君が好き)」と伝えるのではなく、「I like me better when I'm with you(君と一緒にいるときの自分のほうが好きだ)」と歌う点が、本楽曲の最大の魅力です。
サビを中心とした主要パートの英語詞と、その背景にある感情を汲み取った日本語訳を紐解きます。
【Chorus】
"I like me better when I'm with you"
(カタカナ読み:アイ・ライク・ミー・ベター・ホエン・アイム・ウィズ・ユー)
和訳:君と一緒にいるときの自分のほうが、ずっと好きなんだ
"I knew from the first date, young love romance"
(カタカナ読み:アイ・ニュー・フロム・ザ・ファースト・デイト ヤング・ラヴ・ロマンス)
和訳:最初のデートで直感したよ、若さゆえのロマンスだって
"To be young and in love in New York City"
(カタカナ読み:トゥー・ビー・ヤング・アンド・イン・ラヴ・イン・ニューヨーク・シティ)
和訳:ニューヨークの街で、若くして恋に落ちるということ
恋に落ちることで周囲の景色が色づくだけでなく、コンプレックスや不安を抱えていた自分自身を肯定できるようになる——誰もが青春時代に経験するような心の変化が、無駄のない言葉選びで見事に表現されています。
【楽曲の背景と制作秘話】NY移住の初日と恋の始まりから生まれたメロディ
この楽曲は、Lauv(本名:アリ・レフ / Ari Leff)がニューヨーク大学(NYU)で音楽技術を学ぶためにマンハッタンへ移住した際の実体験から生まれました。
大都市の喧騒と孤独感のなかで、ある人物と出会って恋に落ちたLauvは、見栄を張る必要のない居心地の良さを感じます。「誰かと出会ったことで、本来の自分を取り戻せた」という感覚が、楽曲のコアなインスピレーションとなりました。
制作面におけるエピソードも極めて直感的です。スタジオに入ったLauvは、新しく手に入れたシンセサイザーの音色を弄びながら、ピチカート(弦を指で弾く奏法)のような軽快なループフレーズを偶然生み出しました。そのリフに合わせて口ずさんだボーカルラインがそのままサビのメロディとなり、わずか数時間のセッションでトラックの骨格が完成したと本人が明かしています。