クラブシーンやSNSのショート動画で一度聴いたら頭から離れない中毒的な重低音と、クールな女性ボーカルのフレーズ。2010年にリリースされ、世界中に一大エレクトロ・ホップ旋風を巻き起こした名曲が、ファーイースト・ムーヴメント(Far East Movement)の『Like a G6』です。
当時、アジア系アメリカ人を主体とするグループとして史上初となる全米ビルボード「Hot 100」で1位を獲得したこの歴史的アンセム。しかし、耳に残るサビのフレーズ「Like a G6」の本当の意味や元ネタ、そして曲の誕生に隠されたユニークな経緯をご存じでしょうか。楽曲の背景にあるカルチャーや制作秘話、参加アーティストたちの現在までを詳しく紐解きます。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】- 要点1:曲名『Like a G6』の読み方は「ライク・ア・ジー・シックス」で、最高級プライベートジェット「ガルフストリーム」を超えるほど最高にハイな気分を表すスラング。
- 要点2:サビのボーカルは女性シンガーDev(デヴ)の楽曲『Booty Bounce』からのサンプリングで、プロデュースはThe Cataracsが担当。
- 要点3:アジア系グループとして全米シングルチャートの頂点を極めたファーイースト・ムーヴメントは、現在も音楽レーベル運営などを通じて世界のポップシーンを牽引している。
【曲名の謎】『Like a G6』の意味と読み方|歌詞に込められたスラングの正体
楽曲タイトルの『Like a G6』は、カタカナで「ライク・ア・ジー・シックス」と読みます。直訳すると「G6のように」となりますが、日常会話の英語というよりも、当時のヒップホップやパーティーシーン特有のハイテンションなスラング表現です。
英語圏のスラングにおいて「Fly(フライ)」には「かっこいい」「イケてる」「浮き立つような気分」という意味があります。この曲で繰り返される「feelin' so fly like a G6」というフレーズは、「G6(最高峰のジェット機)に乗っているかのように最高にイケていて、気分がブチ上がっている」という極上の高揚感を表現したものです。
お酒や音楽に酔いしれ、クラブのフロアで仲間と最高の夜を過ごしているときの無敵感を、空を高速で飛ぶジェット機に例えた言葉遊びとなっています。
【衝撃の元ネタ】歌詞「G6」の由来とは?プライベートジェット・ガルフストリームの真相
では、そもそも「G6」とは何を指しているのでしょうか。その正体は、世界のセレブや大富豪が愛用する超高級プライベートジェット機「ガルフストリーム(Gulfstream)」シリーズです。
当時、アメリカのヒップホップ界では、リッチの象徴としてガルフストリームのモデル名である「G4(G-IV)」や「G5(G-V)」を歌詞に盛り込むのが定番でした。ドレイク(Drake)やジェイ・Z(Jay-Z)といった大物ラッパーたちが「G4に乗って移動するぜ」とラップしていた背景があります。
そこで制作陣のThe Cataracs(ザ・カタラックス)とファーイースト・ムーヴメントのメンバーは、「セレブたちがG4やG5で自慢しているなら、俺たちはそのさらに上を行く『G6』にしてしまおう」という遊び心からこのフレーズを生み出しました。
実は当時、ガルフストリーム社の最新鋭機「G650」が発表されたばかりで、一般にはまだ実機がほとんど知られていませんでした。「誰もまだ乗ったことがない最新のG6のように、誰よりも高く飛んでいる気分だ」というユーモアと誇張が、世界中を熱狂させたフレーズの原点です。