ねこ ふんじゃ っ た ドレミの配列は、鍵盤に初めて触れる子どもから大人まで、誰もが一度は耳にし、指を走らせたことのある親しみ深いメロディだ。楽譜が読めなくても黒鍵をリズムよく叩くだけで演奏できる不思議な構造を持っており、今や世代を超えて愛される国民的なフレーズとなっている。
実際、ピアノ教室や独学の現場においてねこ ふんじゃ っ た ドレミを耳コピーして指を動かす体験は、鍵盤楽器への親しみを生み出す格好の入口として機能してきた。単なるお遊びの旋律と思われがちだが、音楽理論的な視点からも非常に理にかなった音配列が隠されている。
「ねこふんじゃった」のドレミ音名とピアノの弾き方を徹底解説!黒鍵指使いと即興コツ
この曲の最大の特徴は、鍵盤の「黒鍵」をメインに使って奏でられる点にある。調性としては変ト長調(または嬰ヘ長調)で書かれており、ドレミの音名(固定ド)で表すと「シ♭・ファ♯・シ♭・ファ♯……」といった黒鍵中心の跳躍ステップで構成される。移動ドソルフェージュで考えれば「ソ・ド・ミ・ド」のようなシンプルな響きになり、これが独特の軽快さを生み出している。
基本の弾き方は拍子感を掴むことから始まる。2本並んだ黒鍵と3本並んだ黒鍵の位置関係を指先で把握し、右手は人差し指(2の指)と中指(3の指)をセットにして交互に打ち下ろすのがコツだ。左手で低い黒鍵のベース音をあわせることで、あっという間に両手での演奏が完成する。
慣れてきたら、左手の伴奏に裏打ちのリズムを加えたり、テンポを徐々に上げてスウィングさせたりする即興演奏(ジャムセッション)にもチャレンジできる。シンプルな構造だからこそ、ちょっとしたアレンジで自分だけのセッションに変化する楽しさがある。
「蚤のワルツ」と作詞家・阪田寛夫が紡いだ世界的な名曲の意外な背景
日本で親しまれているこのメロディ、実は世界各国で全く異なるタイトルで知られている。ドイツでは「蚤(ノミ)のワルツ(Flohwalzer)」、フランスでは「アヒルのチョコレート」、ロシアでは「犬のワルツ」、そしてイギリスでは「ロバの行進」といった具合だ。いずれも小動物が跳ね回るような滑稽なリズムから着想を得ている。
日本において「ねこふんじゃった」という衝撃的でコミカルな詩がつけられたのは昭和30年代のことだ。手がけたのは、数々の傑作童謡を生み出した作詞家の阪田寛夫である。猫を踏んでしまった焦りと、開き直るような猫のリアクションが見事に描写された歌詞は、一躍全国の知るところとなった。