トヨタ帝国を継ぐ者――豊田大輔の現在地と「Woven City」始動で見えた次世代モビリティの野望
豊田 章 男 息子である豊田大輔氏の動向に、今、世界中の自動車業界から熱い視線が注がれている。トヨタ自動車の会長である豊田章男氏の後継者候補として常に注目を集めてきた彼だが、単なる「御曹司」の枠には収まらない。2026年、実証都市「Woven City(ウーブン・シティ)」の一部閉所開業や自動運転技術の実装が本格化する中、彼の描く未来図が具体性を帯びてきた。
かつてレーシングドライバーとしての顔も見せ、父と同じくモータースポーツへの情熱を燃やす一方で、デジタル技術やソフトウェアファーストの思想を強く打ち出す彼。世間が豊田 章 男 息子という重い看板に注目する一方で、彼自身はWoven by Toyota(旧Woven Planet)の代表取締役などとして、トヨタを「自動車会社」から「モビリティカンパニー」へと変革する中核を担っている。
「Woven City」の本格始動と大輔氏が果たす役割
静岡県裾野市で建設が進められてきた実験都市「Woven City」。2026年現在、初期フェーズの住民入居が始まり、モビリティやAIのリアルな実証実験が加速している。このプロジェクトを牽引してきたのが豊田大輔氏だ。彼は単に街を作るのではなく、「人を中心としたモビリティのプラットフォーム」を構築することを目指している。自動運転車「e-Palette」が走り回るこの都市は、彼のビジョンを具現化する最大の実験場である。
ソフトウェアファースト:父・章男氏とは異なるアプローチ
父である豊田章男氏は、現場主義と「もっといいクルマづくり」を掲げ、エンジンや車の走る楽しさを追求してきた。対照的に、大輔氏は米国留学や金融業界での経験を経て、ソフトウェアの重要性を早くから見抜いていた。現在の自動車業界は、ハードウェアからSDV(ソフトウェア・デファインド・ビークル)へとシフトしている。大輔氏の強みは、このデジタル領域における深い知見と、グローバルなテック企業とのネットワークにある。