昭和レトロな手芸玩具として親しまれてきたリリアン(リリヤン)が、2026年現在のハンドメイドシーンや知育教育の現場で劇的な再燃を見せています。手芸業界の動向調査や教育関連データによると、日本国内の小学校で「リリアン体験授業」を実施するケースが過去5年間で2倍以上に増加しました。スマートフォンやタブレットの画面から離れ、指先を使って立体的な紐を編み上げるプロセスが、デジタルデトックスや子供の集中力育成、さらには大人の「マインドフルネス手芸」として再評価されている背景があります。
しかし、いざ挑戦しようとすると「編み始めの糸の掛け方を忘れてしまった」「途中で目が落ちた時の修正方法がわからない」「最後の留め方がわからずほどけてしまった」といった声も少なくありません。本稿では、手芸初心者でも確実にマスターできるよう、編み始めから編み終わりの留め方、糸のつなぎ方や色変え、100均アイテムや自作編み機を活用した作品づくりまで、現場取材とプロの検証に基づいて徹底解説します。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】- 要点1:リリアンの基本構造は「下から上へ糸をすくってピンを外す」だけの反復作業であり、編み始めと編み終わりの正しい処理さえ覚えれば失敗しない。
- 要点2:ダイソーやセリアなどの100均編み器から、ペットボトル・ストローを使った自作編み機、クロバー「ワンダーリリアン」まで、目的に応じた最適な道具選びが仕上がりを左右する。
- 要点3:筒状編みだけでなく平編みやビーズ編み、ワイヤーを通すウールレターへ応用することで、ブレスレットやマフラーなどの実用的なトレンド雑貨が簡単に制作可能。
【超基礎から図解】リリアンの編み始め・編み進め方・編み終わりの留め方
リリアン編みは、器具の中央の穴に糸を通し、周囲に配置されたピン(爪)に糸を絡めていくことで、中空の丸紐(筒状)を編み立てる伝統的な技法です。針を使わずに専用のピックやかぎ針だけで編み進められるため、手芸の入門として極めて安全かつ直感的に楽しめます。
リリアン編み機には主に「3本ピン」「4本ピン」「5本ピン」「6本ピン」などのバリエーションが存在します。ピンの本数が増えるほど編み地の直径が太くなり、網目が細かく詰まった質感になります。例えば、すっきりとした細身のミサンガを作るなら3本ピン、標準的で安定したコードを編むなら4本ピンまたは5本ピンを選択するのが基本セオリーです。
1. 失敗しない編み始めのわかりやすい手順
初心者が最もつまずきやすいのが最初のセットアップです。リリアン編み始めをわかりやすく3ステップで解説します。
ステップ1:糸のセット
編み糸の端を約10〜15cmほど残し、編み機の上部の穴から下部(出口)へ向かって通します。下から出た糸端には、編み地が浮き上がらないよう小さなクリップや洗濯バサミを重りとして付けておくと、編み目が均一に整いやすくなります。
ステップ2:初回の糸掛け(交差掛け)
上部に出ている糸を、反時計回りにピンの外側から内側へ、8の字やらせん状を描くようにすべてのピンに1周巻き付けます。これが「1段目の目」になります。
ステップ3:2段目の糸掛けと編み出し
すべてのピンに糸が掛かったら、編み糸をピンの外側を通るように水平に一周回します(ピンの上部に糸が渡る状態)。付属の編み針(ピック)を使い、ピンに掛かっている「下の糸」をすくい上げてピンを越えさせ、器具の内側へ外します。これをピンごとに一周繰り返すことで、最初の結び目が形成されます。
2. 編み進め方(シングル編みの基本リズム)
編み始めが完了した後の作業は極めてシンプルです。常に「ピンの外側に糸を渡し、下の輪をすくってピンの上から外へ外す」という動作を時計回り(または反時計回り)に連続して行います。編み進めるごとに、編み機の下から筒状の美しいコードが押し出されてきます。時折、下から出ている糸を軽く引っ張ってテンション(張り)を均一に保つことが、綺麗な網目を作る最大のコツです。
3. ほどけない編み終わりの留め方
目的の長さまで編めたら、編み終わりの留め方を正しく行わなければ一気にほどけてしまいます。
留め方の手順:
まず、編み糸を器具から約15〜20cm残してハサミでカットします。カットした糸端をとじ針(または付属ピック)に通します。次に、ピンに掛かっている輪へ、編み進めてきた順番どおりに糸端を下から上へ通していきます。すべてのピンの輪に糸を通し終えたら、器具から編み地を慎重に外します。通した糸端をゆっくりと引き絞ると、筒の先端がキュッと閉じて強固な結び目が完成します。最後に余分な糸を編み地の中へくぐらせて隠せば完璧です。
【トラブル解決】目落としの修正方法と糸のつなぎ方・色変えテクニック
リリアン制作中に発生する二大トラブルが「目落とし(目がピンから外れる事故)」と「糸の継ぎ目の処理」です。これらを事前に把握しておくだけで、途中で投げ出すリスクをゼロに抑えられます。
目落としが発生したときの迅速な修正方法
ピンから糸が外れて編み目が解け落ちてしまった場合、慌てて引っ張ると連鎖的に下の段までほどけてしまいます。即座に作業を止め、以下のレスキュー手順を実施してください。
外れたピンの真下にある「解けていない輪」を探し、そこへ細めのレース針やかぎ針を差し込みます。その輪の上に渡っている横糸(渡り糸)をかぎ針で引っ掛け、輪の中から手前へ引き抜きます。これで1段分の目が復元されます。復元した輪を再び元のピンへ掛け直せば、何事もなかったかのように作業を再開できます。
自然で目立たない糸のつなぎ方と色変え
作品の長さを延長したい場合や、途中で糸の色を変えてストライプ・バイカラーのデザインにする際は、リリアン糸のつなぎ方・色変えを工夫します。
最も手軽で解けにくい方法は「はた結び(織工結び)」または「本結び」で古い糸と新しい糸を固く結び合わせる手法です。結び目をできるだけピンの際ではなく、編み機の内側(筒の中心部)へ押し込みながら編み進めることで、完成したコードの表面に結び目が出ず、シームレスで美しい仕上がりになります。マルチカラーのグラデーションヤーンを使用するのも、結び目を作らずに自然な色変化を楽しむ賢い選択肢です。