渋谷の夜をハックする正体不明の影。「けつ だ いら まん」が仕掛ける2026年最大のストリートアート狂騒曲

渋谷の夜をハックする正体不明の影。「けつ だ いら まん」が仕掛ける2026年最大のストリートアート狂騒曲

けつ だ いら まん。この奇妙な響きの言葉が、いま日本のSNSとストリートカルチャーを完全にジャックしている。東京・渋谷のスクランブル交差点や新宿の路地裏に突如として現れた、極端に平面的でユーモラスな「お尻」のシルエットアート。最初は単なる悪戯かと思われていたこのグラフィティが、瞬く間にZ世代を中心とした若者たちの間で爆発的なムーブメントへと発展した。

当初は都市伝説のように囁かれていたが、AR(拡張現実)アプリと連動したゲリラ的なアート展示が始まると、その熱狂は一気に加速する。多くの若者がスマートフォンを片手に街を彷徨い、隠されたけつ だ いら まんのデジタルコードを探し回る姿は、かつてのポケモンGO現象を彷彿とさせる社会現象となっているのだ。単なる一過性のミームなのか、それとも現代社会への批評なのか。

突如として現れたフラットな視覚テロリズム

深夜の路地裏、コンクリートの壁面にスプレーで描かれた二次元の極端に平らなシルエット。それがすべての始まりだった。目撃情報は瞬く間にX(旧Twitter)やTikTokで拡散され、「#Ketsudairaman」のハッシュタグは連日トレンドの上位を占めている。

美術批評家の間でも困惑と興奮が広がっている。ある者はこれを「バンクシー以来の衝撃」と呼び、別の者は「SNS時代の空虚さを体現したキッチュな記号」と切り捨てる。しかし、その評価を置き去りにするように、アートは増殖を続けている。

デジタルとフィジカルの境界線を融解させるAR技術

このムーブメントが単なる落書きで終わらないのは、高度なテクノロジーとの融合があるからだ。特定の場所にスマホをかざすと、現実の風景に重なるようにして立体的な3Dアニメーションが動き出す仕掛けが施されている。

ユーザーがその場に行かなければ体験できない「場所の固有性」と、ネットで一瞬にして拡散される「非限定性」。この二面性が、コロナ禍を経てリアルな体験に飢えていた若者たちの所有欲と自己顕示欲を刺激した。

佐藤 大輔
Penulis

佐藤 大輔

最新のテクノロジーと生活デザインの融合をテーマに、国内外の最新トピックを発信しています。