つけ麺ブームの火付け役として絶大な知名度を誇る「六厘舎」と、首都圏の駅ナカや商業施設を中心に急速に店舗網を広げる「舎鈴」。看板の趣や麺料理としての佇まいに共通点を感じつつも、「一体何が違うのか」「同じ会社なのか」と疑問を抱く利用者は少なくありません。
両者は同じルーツを持ちながら、ターゲット層や味づくりの思想、利用シーンが明確に差別化されたブランドです。本稿では、スープ・麺の特徴から価格設定、出店戦略に至るまで、両者の決定的な違いを多角的に解剖します。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】- 要点1:両店ともに株式会社松富士食品が手掛ける系列ブランドであり、創業者の三田遼斉氏が異なるコンセプトで設計した姉妹関係にある。
- 要点2:六厘舎は「ガツンと濃厚な魚介豚骨」、舎鈴は「毎日食べても飽きないあっさり淡麗魚介系」と、スープ・麺の太さに明確な違いがある。
- 要点3:特別感を味わう行列必至の六厘舎に対し、舎鈴はリーズナブルな価格帯と身近な立地で日常使いに適した住み分けが確立されている。
【運営元の真相】舎鈴と六厘舎の関係とは?松富士食品が仕掛けたブランド戦略
結論から言えば、舎鈴と六厘舎は株式会社松富士食品が運営する同系列の姉妹ブランドです。グループを牽引する創業者・三田遼斉氏が、つけ麺文化を世に定着させた立役者として知られています。
2005年、品川区大崎の住宅街にオープンした六厘舎は、濃厚魚介豚骨つけめんのパイオニアとして爆発的な人気を獲得しました。あまりの大行列で近隣に配慮して一時閉店を余儀なくされるほどの社会現象を巻き起こしたことは、ラーメン史に残る有名なエピソードです。
その後、六厘舎の圧倒的な成功を経て誕生したのが「舎鈴」です。濃厚豚骨魚介のインパクトを前面に押し出した六厘舎に対し、舎鈴は「毎日の生活に寄り添うつけ麺」をテーマに開発されました。同じ運営母体でありながら競合することなく、異なるニーズを完璧に補完し合う関係性を築いています。
【スープ・麺を徹底比較】六厘舎の「濃厚魚介豚骨」と舎鈴の「毎日食べられる味」の違い
2つのブランドにおける最大の相違点は、スープの設計思想とそれに合わせる麺の仕様です。
六厘舎のスープは、大量の豚骨・鶏ガラを何十時間も煮込み、煮干しや鰹節などの魚介出汁を極限まで抽出した「ドロリとした超濃厚魚介豚骨」が代名詞です。スープの上に盛られた海苔と魚粉が香りをさらに引き立て、ひと口目から強烈な旨味とインパクトが押し寄せます。これを受け止める麺は、うどんに匹敵するほどの極太ストレート麺。力強い小麦の風味と、濃厚スープをしっかり絡め取るコシの強さが魅力です。
一方、舎鈴のスープは「毎日食べられるつけ麺」を掲げ、魚介の風味をしっかり効かせながらも、豚や鶏の動物系スープをすっきりとブレンドした淡麗系・中濃仕様に仕上げられています。こってり感が抑えられているため、胃もたれしにくく最後の一滴まで心地よく味わえます。合わせる麺は、六厘舎よりやや細めの中太麺。つるりとした喉越しとしなやかな弾力があり、忙しいランチタイムでもスルスルと食べ進められる設計です。