手 を た た きま しょう おかあさん と いっしょは、世代を超えて親しまれる日本屈指のロングヒットナンバーであり、毎日のようにテレビ画面越しに親子の笑顔を生み出している。タンバリンのような軽快な手拍子から始まり、「笑いましょう」「怒りましょう」と感情をフルに表現するこの曲は、今や誰もが知る定番中の定番だ。
朝の慌ただしい時間帯や夕方のひととき、手 を た た きま しょう おかあさん と いっしょが聞こえてくると、子どもたちは一瞬でテレビの前へと駆け寄っていく。単なる楽曲の枠を超え、親と子をつなぐ温かなコミュニケーションの触媒として、その存在感は増すばかりである。
チェコ民謡がルーツ?「手をたたきましょう」意外な原曲と歌詞の秘密
口ずさみやすいメロディと愛らしい歌詞で親しまれるこの曲。日本の伝統的なわらべうただと思われがちだが、実はそのルーツを辿るとヨーロッパの民謡に突き当たる。海外のメロディをベースに、日本の子どもたちが親しみやすいフレーズへと再構築された背景には、昭和を代表するクリエイターたちの緻密な情熱が存在していた。
日本語訳詞を手掛けたのは、詩人・作家として知られる阪田寛夫。そして編曲・作曲面で大きな役割を果たしたのが小林つや江だ。阪田寛夫による「あはは」「ぷんぷん」「えんえん」といったオノマトペをふんだんに盛り込んだ歌詞は、言葉を覚え始めたばかりの幼児の心を一瞬で掴む。単に歌うだけでなく、喜怒哀楽の感情を身振り手振りで表現する構成は、当時の童謡界においても画期的な発明だった。
花田ゆういちろう・ながたまやコンビが魅せる!名演の裏側と表現力
NHK Eテレの長寿番組において、現在この名曲に新たな命を吹き込んでいるのが、花田ゆういちろうお兄さんとながたまやお姉さんのコンビだ。2人が画面で見せる表情の変化は、まさに圧巻の一言。歌声の美しさだけでなく、一瞬で「笑顔」から「怒り顔」、そして「泣き顔」へと切り替わる歌舞伎顔負けの表情演技が、子どもたちの視線を釘付けにする。
舞台裏では、子どもたちが真似しやすい動作の角度や、画面越しでも感情がダイレクトに伝わるテンポ感がミリ単位で計算されているという。花田ゆういちろうのミュージカル仕込みの伸びやかな表現力と、ながたまやの包み込むような温かな歌声が交差するとき、スタジオは一気に魔法のような多幸感に包まれる。