没後10年、名優・平幹二朗が遺した圧倒的背中と「あの日」の真実:浴槽で急逝した昭和の大名優の最期を振り返る
平 幹二 朗 死因について、多くの演劇ファンや関係者が今なお語り継ぐのは、彼が文字通り「現役のまま」舞台から去ってしまったからだ。2016年10月23日、日本を代表する名優・平幹二朗さんが83歳でこの世を去った。自宅の浴槽で息を引き取っているのが発見されたという突然の悲報は、当時の芸能界のみならず日本中に凄まじい衝撃を与えた。演出家・蜷川幸雄とのタッグや、シェイクスピア劇での圧倒的な存在感は、今なお色褪せることがない。
当時、月9ドラマ『カインとアベル』に出演中だったこともあり、突然の代役交代劇を含め、世間では様々な憶測が飛び交った。しかし、公式に発表された平 幹二 朗 死因は「急性心不全」である。持病の噂や体調不良説も一部で囁かれたが、実際には亡くなる直前まで舞台に立ち続け、役者としての生命を全うした大往生であったと言えるだろう。
2016年10月23日、突然訪れた静かな幕引き
あの日、異変は突然訪れた。翌日に控えた収録のため、番組スタッフが連絡を取ろうとしたものの、平さん本人と連絡がつかない。不審に思った家族が東京都世田谷区の自宅を訪ねた。そこで見つかったのは、浴槽の中で静かに息を引き取っていた平さんの姿だった。
事件性はなかった。あまりにも突然の、そして静かな最期。前日まで元気に仕事をこなしていただけに、周囲のショックは計り知れなかった。83歳という高齢ではあったが、その立ち姿からは衰えなど微塵も感じられなかったからだ。
公式発表された「急性心不全」とその背景
所属事務所から発表された死因は「急性心不全」。心臓の機能が急速に低下し、全身に血液を送り出せなくなる状態だ。冬場に多いヒートショック現象などが浴槽内での急死の原因としてよく挙げられるが、平さんが亡くなったのは10月下旬。少し肌寒くなり始めた季節だった。
舞台俳優としての平さんは、常に強靭な肉体と声を維持するために過酷なトレーニングを自身に課していた。限界まで自分を追い込むストイックな姿勢が、知らず知らずのうちに心臓に負担をかけていたのではないかとも囁かれている。しかし、それこそが彼の「役者としての生き様」そのものだった。