ラーメン 大島 船堀の暖簾をくぐると、芳醇な山椒と焼き味噌の香りが一気に鼻腔をくすぐる。都営新宿線の船堀駅から歩くこと約8分。閑静な住宅街が広がる東京都江戸川区船堀の一角に、全国のラーメンマニアが熱視線を送る行列店がある。看板に掲げられた名は「ラーメン大島」。平日の開店前であっても、熱狂的なファンによる長い列が途切れることはない。
東京で本物の札幌味噌ラーメンを欲したとき、真っ先に頭に浮かぶのがラーメン 大島 船堀の名だ。店主の高津均氏が寸胴に向き合い、中華鍋で激しく煽るスープの音は、まるで職人が奏でる音楽のよう。長年にわたり飲食業の第一線で磨き抜かれたその手腕が、丼の中に圧倒的な完成度を誇る小宇宙を創り出している。
名店「すみれ」の血統を引き継ぐ「村中系」の正統後継者
ラーメン大島の店主・高津均氏は、札幌味噌ラーメンの伝説的名店「すみれ」で実に12年間もの長きにわたり修業を積んだ叩き上げの職人だ。創業者・村中伸宜氏の精神と技を受け継ぐそのスタイルは、ラーメン界において「村中系」として絶大な敬意を集めている。
すみれでの厳しい修業時代を経て自らの城を構えた高津氏。しかし、彼が提供するのは単なる名店の模倣ではない。伝統の技法をベースに置きながらも、東京の嗜好や水質に合わせた独自の調整が施されている。飲食業の過酷な競争の中で磨かれた妥協なき姿勢こそが、唯一無二の味わいを生み出す源泉だ。
湯気が出ないのに超熱々!極上「濃厚味噌ラーメン」の秘密
丼が運ばれてきた瞬間、誰もがその見た目に一瞬息をのむ。表面を覆う透明なラードの膜。これがスープの熱と芳しい香りを完璧に閉じ込めているため、器からは一切の湯気が立ち上らない。油断して一口目を口に運べば、火傷しそうなほどの熱さと重厚な旨味が口いっぱいに弾ける。
ベースとなるスープは、香ばしく炒められた味噌の深いコクと、ニンニク、生姜の刺激が複雑に絡み合う仕上がりだ。これに合わさるのが、札幌から直送される黄色い中太ちぢれ麺。力強い濃厚味噌ラーメンのスープに負けない存在感を放ち、噛むたびにモッチリとした歯ごたえと小麦の甘みが広がる。頂上に添えられた生姜をスープに少しずつ溶かせば、途中で鮮やかなキレが加わり、最後のひとくちまで心地よい変化を楽しめる。