高山善廣の事故から9年――ネットで検索され続ける「あの瞬間」の動画と、私たちが向き合うべきプロレスのリアル
高山 善廣 事故 動画――この言葉が、今なおネットの検索窓に入力され続けている。2017年5月4日、大阪府立体育会館で行われた試合中に起きた、プロレス界を揺るがす大事故。帝王と呼ばれた男が、突如としてリング上で動けなくなったあの瞬間は、多くのファンの脳裏に焼き付いて離れない。
凄惨なアクシデントの映像は、時に好奇心の対象として消費されがちだ。しかし、ネット上に散らばる高山 善廣 事故 動画を安易に探す行為の裏には、危険と隣り合わせで闘うレスラーたちへの敬意や、事故の教訓を風化させたくないというファンの複雑な心理も隠されている。
2017年5月4日、リング上で何が起きたのか?
あの日の衝撃を、当時の観客は忘れていない。DDTプロレスリングの豊中大会。高山善廣は、回転エビ固め(サンセットフリップ)を試みた際、頭部からマットに落下した。崩れ落ちる巨体。動かない四肢。レフェリーのストップにより試合は即座に中断され、会場は静まり返った。診断名は「頸髄損傷および変形性頸椎症」。首から下の感覚を失うという、あまりにも残酷な宣告だった。
ネット上に拡散する動画と「観る側」の倫理
事故直後から、SNSや動画投稿サイトにはその瞬間を捉えた映像が溢れた。現在でも、衝撃的な映像を求める野次馬的な検索は絶えない。だが、他者の人生を一瞬にして変えてしまった悲劇を、単なるエンターテインメントやスキャンダルとして消費して良いのだろうか。動画の拡散は、本人や家族の心を二次的に傷つける刃にもなり得る。