ピクサー不朽の名作『トイ・ストーリー2』で強烈な存在感を放ち、ラストシーンで見事な美声を響かせたペンギン人形のウィージー。ホコリをかぶった棚の隅からウッディに救出され、物語のキーマンとなった彼ですが、続く『トイ・ストーリー3』の本編ではオープニングのホームビデオ映像を除き、アンディの部屋から完全に姿を消していました。
劇場公開当時、スクリーンでウィージーの不在を知った世界中のファンからは「なぜウィージーがいないのか」「ヤードセールで売られてしまったのか、それとも壊れて処分されたのか」と大きな動揺が広がりました。本稿では、劇中で語られた設定上の理由はもちろん、ピクサー制作陣が直面した悲劇的な現実、そして今なお愛され続けるウィージーの魅力と歴代声優の知られざる裏話まで、徹底取材をもとにその全貌を解き明かします。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】- 要点1:ウィージーが『3』に登場しない作中理由は、アンディの成長に伴うヤードセール(ガレージセール)で他人の手に渡ったため。
- 要点2:制作上の最大の要因は、オリジナル声優を務めたピクサーの伝説的クリエイター、ジョー・ランフト氏の不慮の事故死に対する敬意と追悼。
- 要点3:ラストで披露された名曲『君はともだち』の圧巻の歌声は、名歌手ロバート・グーレ(日本語版:鈴木よりのり)による吹き替え。
【真相究明】ウィージーはなぜ『トイ・ストーリー3』から姿を消したのか?
『トイ・ストーリー3』の冒頭、成長して17歳になったアンディの部屋には、かつて賑やかだった仲間たちの多くが見当たりません。軍曹率いるグリーン・アーミーメンが「作戦終了」を告げて去っていく中、ウッディが召集したおもちゃ会議のシーンで、トイストーリーの仲間たちの行方について語られる決定的な台詞があります。
ウッディは「ボー・ピープやウィージー、エッチ・ア・スケッチたちは、ヤードセールや寄付で新しい持ち主の元へ旅立っていった」と静かに告げます。つまり、トイストーリー ウィージー その後の公式設定は、トイストーリー2で救われたヤードセール(不用品バザー)に再び出され、別の家庭へと引き取られていったというのが劇中の真相です。
一部のファンの間では「壊れたおもちゃとして廃棄されたのではないか」というトイストーリー ウィージー 死亡説が囁かれた時期もありました。しかし、公式アーカイブや脚本資料において彼が破壊・廃棄されたという記述は一切存在しません。おもちゃとしての宿命を受け入れ、新たな人生(おもちゃ生)を歩み出したと解釈するのが正確です。
ピクサー制作陣の悲劇|声優ジョー・ランフト氏の逝去とウィージーの引退
劇中のストーリー展開以上に、ウィージーがスクリーンから姿を消さざるを得なかった背景には、ピクサー社内を襲った大きな悲哀がありました。ウィージーの原語版の声を担当していたのは、ピクサーの創世記を支えた天才ストーリーボード・アーティストでありアニメーターのジョー・ランフト(Joe Ranft)氏です。
ジョー・ランフト氏は『トイ・ストーリー』のストーリー原案を手がけただけでなく、『バグズ・ライフ』のハイムリック役や『トイ・ストーリー』のレニー役など、印象的なキャラクターボイスでも親しまれたピクサーの魂とも呼べる存在でした。しかし、彼は『カーズ』の制作真っ只中だった2005年8月16日、カリフォルニア州で起きた不慮の自動車事故により45歳の若さで急逝します。
当時、ジョン・ラセター監督をはじめとする制作陣の悲しみは計り知れないものでした。ピクサーはジョー・ランフト氏の功績と温かな人柄に最大限のリスペクトを払うため、彼が魂を吹き込んだウィージーというキャラクターを安易に別の声優へ交代させて続投させる道を選ばず、アンディの部屋からの「名誉ある卒業」という形で静かに送り出す決断を下したのです。