『となりのトトロ』まっくろくろすけの正体とは?ジブリ作品の裏設定

『となりのトトロ』まっくろくろすけの正体とは?ジブリ作品の裏設定

となり の トトロ まっくろ くろ すけという不思議な生き物の姿を、幼い頃に一度は見かけたような気がした経験はないだろうか。サツキとメイが引っ越してきた古い家で、暗い隅から隅へとサササッと逃げていくあの黒い丸い影。どこか愛らしく、同時にほんのり不気味さを漂わせる彼らは、日本中の子供たちの好奇心を刺激し続けてきた。

公開から数十年が経過した現在もなお、となり の トトロ まっくろ くろ すけに魅了されるファンは絶えない。映画の冒頭で強烈な印象を残すこのキャラクターには、実はアニメ本編では語られきれなかった深い伝承や、スタジオの遊び心が詰まった知られざる背景が存在する。

『となりのトトロ』に登場する「まっくろくろすけ(ススワタリ)」の正体とは?元ネタと裏設定

あの黒い毛玉のような集団の正体は、劇中でカンタのおばあちゃんが語る通り「ススワタリ(煤渡り)」と呼ばれるお化けだ。人が住まなくなった古い家に群がり、家中を煤だらけにしてしまう。だが、家に陽気な人間が住み始めて笑い声が響くようになると、いつの間にか煙のように消え去ってしまう儚い性質を持つ。

和風の民話に出てくる伝統的な妖怪のようにも思えるが、実は宮崎駿監督オリジナルの創作精霊である。古風な日本の暮らしや土着の信仰心からヒントを得て描かれた存在であり、古い民家に宿る空気感そのものを具象化したものと言える。徳間書店が発行した当時の設定資料や関連書籍によれば、彼らは人間に害をなす悪霊ではなく、家を優しく見守りつつ、人の気配に合わせて移動する素朴な精霊として位置づけられている。

『千と千尋の神隠し』でも大活躍!ススワタリの生態と作中での役割

ススワタリが姿を見せるのは『となりのトトロ』だけではない。世界的なヒットを記録した『千と千尋の神隠し』でも、釜爺(かまじい)が仕切るボイラー室で働く重要なキャラクターとして登場する。

『となりのトトロ』の作中では手足のない球体として描かれていたが、『千と千尋の神隠し』では細い手足が生え、自分よりも遥かに大きな石炭を持ち上げて炉に投げ込む健気な労働者として描かれた。金平糖が大好物というチャーミングな設定も加わり、観客の心を鷲掴みにした。単なる一回限りのお賑やかしにとどまらず、ジブリの世界観を繋ぐシンボルへと進化したのだ。

中川 明日香
Penulis

中川 明日香

エンタメ・カルチャー業界の深掘り取材を得意とし、現場のリアルな声をお伝えします。