ニデック(旧日本電産)の限界説を追う:EV失速とAI特需の狭間で揺れる「ハードワーク企業」の現在地
日本 電 産 やばい――ネットの検索窓にこの言葉が並び続けて久しい。かつて「回るもの、動くもの」で世界を制覇し、カリスマ創業者・永守重信氏のもとで急成長を遂げたニデック(旧日本電産)が、いま大きな転換期を迎えている。2026年現在、EV(電気自動車)向け駆動モーター「イーアクスル」の価格競争激化や、度重なる後継者交代劇を経て、市場の評価は真っ二つに割れているのだ。
投資家の間でも「日本 電 産 やばいのではないか」という懸念が囁かれる一方で、生成AIブームに伴うデータセンター向け水冷モジュールの爆発的ヒットなど、同社は新たな生存戦略を急速に構築しつつある。果たしてこの巨大企業が直面しているのは、破滅へのカウントダウンなのか、それとも次なる飛躍への前兆なのだろうか。
創業者・永守氏の「呪縛」と後継者問題のリアル
ニデックを語る上で避けて通れないのが、創業者である永守重信氏の存在だ。彼の強力なリーダーシップが同社を世界企業に押し上げたことは誰も否定できない。しかし、その強すぎる光は、同時に深い影を落としてきた。
これまで何度も後継者候補を外部から招いては、数年で更怠・更迭するというサイクルを繰り返してきた。この「永守氏の後釜が育たない」という構造的な課題こそが、市場に長期的な不安を与え続けている最大の要因だ。2026年現在、集団指導体制への移行が進められているものの、実質的な決定権がどこにあるのか、不透明さは拭いきれていない。
EVシフトの誤算?中国市場での激しい価格競争
数年前まで、ニデックの成長シナリオの主役はEV用駆動モーター「イーアクスル」だった。中国市場の爆発的なEVシフトの波に乗り、シェアを一気に拡大する計画だったが、現実は甘くなかった。中国現地メーカーとの血で血を洗うような価格競争が勃発したのだ。
結果として、利益率は急低下。一時は巨額の減損処理を迫られる事態に陥った。かつてのような「高収益のニデック」を期待していた投資家にとって、このEV事業の苦戦は冷や水を浴びせられる格好となり、ネガティブな噂に拍車をかけることとなった。