銀座 ライオン 7 丁目――洗練された大人の街として知られる東京都中央区銀座の一角に、時を止めたかのような重厚な空間が存在する。1934年(昭和9年)の竣工以来、数多の酒客を迎え入れてきた「銀座ライオン7丁目店」だ。現存する日本最古のビアホールとして、今なお圧倒的な存在感を放っている。
めまぐるしく流行が移り変わる現代の飲食・外食産業にあって、時代を超越した本物の価値を提供し続ける銀座 ライオン 7 丁目。サッポロホールディングス株式会社のグループ企業である株式会社サッポロライオンが守り伝えるこの場所は、単なる飲食店という枠を超え、街の歴史そのものを体現する文化遺産と言っていい。
建築家・菅原栄蔵が仕掛けた「豊穣」の意匠:昭和モダニズム建築の知られざる秘密
ホールに一歩足を踏み入れた瞬間、誰もがその壮大な空間に息をのむ。天井高は悠に6メートルを超える。正面の壁一面を飾るのは、250万個以上ものガラスパーツを職人が手作業で貼り合わせた巨大なモザイク壁画だ。描かれているのは、大麦の収穫に勤しむ女性たちの姿。豊穣の喜びが色鮮やかに表現されている。
この独創的な昭和モダニズム建築を手掛けたのは、異色の建築家・菅原栄蔵である。彼はビールという飲み物がもたらす豊かさと生命力を、空間全体で表現しようとした。太い柱は実った大麦の穂を模し、照明器具は熟した葡萄の房をイメージしてデザインされている。壁面の赤いレンガ模様は、醸造所の仕込み釜を連想させる仕掛けだ。細部にまで張り巡らされた意匠の秘密を知ると、一杯のビールがさらに味わい深いものになる。
職人技「一度注ぎ」が生み出す極上の泡:サッポロ生ビール黒ラベルの真価
空間の美しさと並び立つこの店の看板が、伝統の「一度注ぎ」で提供される生ビールだ。専用の「スイングカラン」と呼ばれる特注のタップを使用し、勢いよくグラスへ液体を流し込む。一気にビールを回転させながら余分な炭酸ガスを抜き、理想的な泡の層を瞬時に作り上げる。まさに職人芸だ。
注がれた「サッポロ生ビール黒ラベル」口に含んだ瞬間、驚きが走る。雑味が一切なく、驚くほどまろやか。すっきりとした喉越しでありながら、麦の旨味がしっかりと感じられる。冷たすぎない絶妙な温度管理も相まって、何杯でも飲み進められる魔法のような味わいを生み出しているのだ。この極上の一杯を求めて、連日多くのファンが足を運ぶ。