呪術廻戦 240 rawがネット上に浮上したあの瞬間の戦慄を、覚えているだろうか。五条悟の死という未曽有の絶望が渦巻くなか、突如としてバトルの中心に躍り出たのは、売れないお笑い芸人・高羽史彦だった。史上最悪の呪術師・羂索(けんじゃく)との常識を置き去りにした死闘。ジャンプ本誌の発売を待たずして世界中のSNSを騒然とさせたあの波紋は、単なるネタバレの域を超え、連載完結を経た2026年の今なお、マンガ史に残る「最も予測不能な怪作回」として語り草になっている。
当時の海外掲示板RedditやX(旧Twitter)では、過激なファンによる熱狂的な議論が爆発し、呪術廻戦 240 rawの速報画像をめぐってタイムラインが文字通り埋め尽くされる事態となった。死霊や領域展開が飛び交う殺伐とした死滅回游において、突如挿入されたシュールなお笑い論理。読者が困惑と爆笑の狭間に叩き落された背景には、作者・芥見下々氏が仕掛けたあまりにも危険な表現上の賭けがあった。
「術式・超人」の覚醒:高羽史彦という異端が破ったバトル漫画のセオリー
王道少年マンガのバトルといえば、力のインフレと綿密なロジックの応酬だ。しかし、高羽史彦の術式「超人(コミディアン)」はそのすべてをあざ笑うかのように打ち砕いた。「自身がウケると確信したイメージを現実化する」という無敵の能力。五条悟すら脅かす可能性を秘めたこの力が、第240話でついに本格稼働したのだ。
トラックで人を撥ねようが、顔面を殴られようが、ギャグの天丼として処理されればノーダメージ。シリアスなダークファンタジーの文脈に、突然『マサルさん』や『ギャグマンガ日和』の文法がなだれ込んだ衝撃は計り知れない。読者は「バトル漫画を読んでいるはずが、気づけばシュールコントを見せられている」という奇妙な錯覚に囚われた。
お笑いプロの羂索?千年を生きる黒幕が見せた予想外のガチ評価
第240話の凄みは、高羽のふざけた術式に対して、宿敵・羂索が真っ向から「お笑い」で対抗した点にある。千年の知恵を持つ呪術師が、まさかの「演芸評論家」のようなロジックを展開し始めたのだ。
ツッコミの間、フリップ芸の構成、さらには芸人としての覚悟の甘さまで鋭く指摘する羂索。黄櫨(はぜのき)の凄惨な死体を突きつけ、高羽のメンタルを精神的に追い詰めていくプロセスは、ギャグの皮をかぶった過酷な心理サスペンスだった。単なるおふざけ回ではなく、人間の尊厳とお笑い哲学がぶつかり合う重厚なドラマへと昇華させた手腕には脱帽するしかない。