「ちーたら」ヒットの裏に意外な製法あり!開発秘話と絶品アレンジ

「ちーたら」ヒットの裏に意外な製法あり!開発秘話と絶品アレンジ

ち ー たらは、日本の晩酌シーンを長年彩ってきた国民的スナックだ。しっとり柔らかな白いシートで濃厚なチーズをサンドしたあの独特の味わい。一口かじれば豊かな風味が口いっぱいに広がり、思わず酒が進む。だが、我々が日常的に楽しんでいるこのロングセラー商品の裏側に、どれほど凄まじい技術革新と執念が詰まっているかを知る人は意外に少ない。

昨今のレトロブームや家飲み需要の定着も相まって、空前の再評価が進むち ー たらだが、その歴史は昭和の食品開発者が直面した「常識破りの壁」との闘いから始まった。単なる酒のつまみを超えて、一つの食文化へと昇華した理由に迫る。

至高の味わいを生んだ「チーズたら」開発の意外な裏側

チーズと魚肉すり身を合わせる——今でこそ当たり前に思えるこの組み合わせだが、開発当時は「絶対に着想通りにはいかない」と食品業界の常識から猛反対を受けた。常温で保存するとチーズの油分が分離し、すり身が水分を吸ってドロドロに溶けてしまうのだ。水と油を馴染ませる化学的難題が、開発チームの前に立ちはだかった。

この不可能に挑んだのが、株式会社なとりの創業者である名取小一郎氏だ。彼は「酒の肴に本物のチーズを気軽に使いたい」という強い信念のもと、試行錯誤を繰り返した。幾度もの失敗の末、彼らがたどり着いたのは、チーズをそのまま塗るのではなく、高温で加熱処理した特殊なチーズ層を魚肉シートでサンドし、独自の水分調整を行う製法だった。こうして誕生した「チーズたら」は、発売と同時に爆発的な大ヒットを記録することになる。

水産加工食品の革命児!創業家が掛けた執念と特許製法

「魚肉とチーズの奇跡の融和」を実現した秘密は、同社が独自に確立した特許技術にあった。従来の水産加工食品は塩分や日持ちを最優先に作られていたが、なとりは「食感の滑らかさ」と「保存性」の両立という難題をクリア。タラのすり身をシート状に薄く伸ばし、均一な厚みでチーズを挟み込む専用ラインをゼロから自社開発したのだ。

この画期的な製法によって、合成保存料を極力使わずに長期保存が可能となり、全国の酒販店やスーパーへと一気に流通が拡大した。まさに加工食品の歴史を塗り替えた瞬間である。

田中 結衣
Penulis

田中 結衣

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。