針と糸が紡ぐ「コートの絆」――なぜ今、バレーボールのフェルトお守りが全国の部活で異例のトレンドとなっているのか

針と糸が紡ぐ「コートの絆」――なぜ今、バレーボールのフェルトお守りが全国の部活で異例のトレンドとなっているのか

バレーボール お守り フェルトを手作りして、大事な大会を控えたチームメイトや先輩に贈る――。そんな昭和・平成から続く伝統的な光景が、令和8年(2026年)の今、SNSを起点に爆発的な再ブームを迎えている。デジタルネイティブ世代であるはずのZ世代やα世代の選手たちが、あえて手間暇のかかる「アナログな手仕事」に強い価値を見出しているのだ。

タイパ(タイムパフォーマンス)や効率性が極限まで追求される現代にあって、このバレーボール お守り フェルトという極めて温かみのある贈り物が、再びコート内外で脚光を浴びているのは興味深い現象だ。スマホ一台で何でも完結する時代だからこそ、一針一針に想いを込めて作られたマスコットは、選手たちの緊張をほぐす最高のメンタルギアとして機能している。その背景にある現代の部活事情と、若者たちの心理に迫った。

2026年のトレンド:なぜ「タイパ」全盛期に手作りなのか

タイパ至上主義の世の中において、手作りのお守りを作る行為は一見、時代に逆行しているように思える。市販のキーホルダーをネットで注文すれば、翌日には美しい既製品が届く。それでも、夜遅くに机に向かい、フェルトを丸く切り抜き、バレーボールの独特なラインを刺繍する高校生が増えている。

この「非効率な時間」こそが、言葉にできない友情や結束力の証明になっているのだ。ある都内の高校バレー部マネージャーは、「既製品にはない、その人のためだけに費やした『時間』そのものが力になる」と語る。タイパ社会への反動として、若者たちは「時間をかけることの贅沢さと価値」を本能的に感じ取っているのかもしれない。

インスタやTikTokで急増する「#部活お守り」のバズ動画

SNSのタイムラインを開けば、色とりどりのフェルト製お守りが並ぶ。単にボールの形を模したものだけでなく、ユニフォームのミニチュア版や、各選手の背番号、さらにはポジションに合わせたユニークなアレンジが施されているのが特徴だ。

制作過程をタイムラプスで撮影した動画や、大会前日に部員たちにサプライズで手渡す瞬間を切り取ったショート動画は、TikTokやInstagramで数十万回再生を記録することも珍しくない。デジタルで繋がりつつも、リアルな手触りを求める若者たちの二面性が、このブームをさらに加速させている。

佐々木 一輝
Penulis

佐々木 一輝

Webメディアでの編集・執筆歴10年。読者の好奇心を刺激するストーリー作りを心がけています。